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モノづくりを考える(3)

 

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統計的に…とはいえ少しばかり大ざっぱな話だとは思うが、意外と理解できる記事内容だったのでまずは冒頭に紹介します。現在日本国内にある(各種)製造・生産機械を人の年齢に置き換えたらというもので、1980年代は16~19歳。それから日本産業の成長期を支えたそれらの機械は、現在60歳代後半だと推測するものでした。ほぼ労働年齢を超えています。

このことを当社を取り巻くアウターレース工場界を見てみるとなるほどうなずけます。当社もそうであるがほとんどが20年以上前に導入した編機をメンテナンスを繰り返し使っています。古い機械だけに他には出来ないオンリーワンのものづくりが出来るのならまだしも、そうでもない上、最悪な事に製造メーカー自体サービスを終了しようとしています。しかしこれが日本の我々零細企業の現状であります。

一方、海外に目を向けると中国をはじめ、新興国でも最新の稼働方式を搭載した編機で簡単にものを作ってきます。発想やデザインはすぐに真似は出来なくても、ものとして手に取れる状態ならいくらでもコピー可能です。逆にいえば簡単にいくらでもコピー出来るのならば発想や開発をせず、流行っているものだけ作ればいいのですから楽です。むしろ二番手のほうが有利だったりもしますから。

とはいえ、これだけ世界経済のグローバル化が進み、遠く海外の出来事や動向がクイックに為替や株価に反映されてしまう様な時代です。国政が考える様な設備投資や賃上げは、たとえ大企業でも慎重にならざるを得ないこともわかります。それだけ今の環境を一過性のものかも知れないと注視する状態が未だ続いているということだと思います。しかしこのような保守的な状態が慢性化したりすることによるこれから起こりうる問題も考える必要があります。

自身の経営に落として考えてみます。投資をなるべく控えて古い機械を継続して使い蓄えを増やし備える…自分はそれでいいかも知れません。しかし将来的にはどうなのだろう? もしかしたら環境的な不安を理由に次の世代の人たちに、もっと大きな不安を押しつけてはいないだろうか。新しいチャンスを掴む機会すら無くそうとしているのではないでしょうか。強い危機感を覚えます。

先般 アフリカでワクチン開発で成功しノーベル賞を受賞された大村氏がこんな事を言っています。「(人が人生を終えるにあたり)お金を残すのは下、仕事を残すのは中、人を残すのが上」と。人生折り返し地点を過ぎてからまた少し走った今 会社経営を通して達成したい目標の一つは、この仕事をもっともっと魅力的にして次の世代に継承してもらうこと。そう考えると今努力する事の重要性に気付きます。そしてこの努力が5年後10年後に大きな差になることは間違いありません。

そんな日々の思いや努力の連続が、大村氏の「生きる」ではなく「生き切る」ということなのかも知れないですね。

 

 

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