2018年10月30日
ものづくりを考える(6)
地球が枯渇してしまう前に。……「サスティナビリティーはもはや選択肢ではない。当然の義務だ」
国連は2017年6月の時点で76億人の世界人口が、2050年には98億人に達すると予想しています。さらにその時必要となる服の量は、現在の3倍 地球2.3個分の資源が必要になる。つまり、このまま私たちが天然資源に頼ったものづくりを続けていれば、地球が近い将来、枯渇してしまうのは目に見えているという事なのです。
こうした強い警鐘が世界で聞かれるようになった今、ファション業界でも単なるマーケティング戦略の一つではなく、本腰を入れたサスティナビリティー施策が動き出しています。アディダスは2024年までにシューズやアパレルを含む全製品をリサイクル・プラスティック製にすると宣言。またH&Mは世界の研究者とのコラボレーションによって産業規模での「混紡素材のリサイクル」に成功しました。コットン100%のような単一繊維からなる素材のリサイクル技術は大きく進化したが、市場にはもっと多く普及している綿、ポリエステル混などといった混紡素材のリサイクルがファッション業界のサスティナビリティーにおいて大きな障壁となっていました。
世界人口の増加から、衣服の需要が高まる中 着古した服が焼却されたり埋め立てられたりするのではなく、再び繊維となり新しい服に生まれ変わるという『循環』を生みだす事が出来ればリサイクルの円が出来ます。またそれと同時に大切になってくるのは、消費者の『資源』に対する理解と協力に他なりません。今を生きる我々は、次の世代にこれまで以上に地球に負荷をかけない環境を整備し、受け渡す義務があります。